この巻は副題の通り、王の逃亡に焦点を当てている。
聖職者への改革などでほとほと嫌気がさした王は、とりあえずの休暇にパリを出ようと考える。(本当はこのときに亡命する気だったかも知れないが、小説では休息)
しかし、パリ市民の怒り(逃亡するんじゃないか。外国の軍隊を招くんじゃないか) にあい、途中で馬車を引き返すことになる。
このままでは本当に命の危険がある、と考えるルイ16世は
ある夜、突然国外逃亡を実行する。
しかし、逃亡の実行の段階一つ一つで遅れが生じ、手はず通りに上手くいかなくなる。
しまいには、待っていてくれるはずの軍が遅すぎて(6時間とか)待ちきれず、どこかへ行ってしまう。
そうこうしている間に、民衆に王様であることがバレ、それ以上先に進むことができなくなり、
パリに引き返せざるをえなくなる。
事態を取り繕うとする重臣は、この逃亡騒ぎは実は王一家が拉致されたのだ、ということにしようとする。(読んでいて、そんなウソがまかり通るのかはなはだ疑問だが・・・)
そこでこの巻は終了する。
共和制への道がまた近づいている。
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