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Channel: 読書は心の栄養
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リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください 井上達夫

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ラジオ、ザ・ボイスの宮崎哲弥さんの回に登場したときの印象から興味を持って借りてきた本

 

この人はリベラルではあるが、日本の妄想なんちゃってリベラルではない。

彼の思想の根本には正義があって、それに即しているか、そして法的手続き、つまり正当性があるか否かで是非を判断しているように思われる。

 

思想としては面白いし、日本のリベラルに比べればずっとまともなんだけど、

学者ですので、現実的ではない、ということがある。

そしてこういう正義論においてやっかいだと個人的に思うのは、

仮に正義度数というものがあって、方策として

正義度0,40,60,80という4つの方策があったと仮定する。

著者の場合、間違いなく80の方策を採るわけだが、

世の中、最終的な正義度100を目指す場合、正義度40だったり60のほうが結果近道だったりすることもあるわけです。

例えば、現在の社会の正義度が10ぐらいだとして、いきなり80の方法を採るとすると、其の方策は抜本的なものになり、様々な抵抗が生まれたりする。

そして80の方法が実現できたり、実現するのに長い年月かかったりする。

でも、正義度40の方法を採ると、社会の抵抗はそれほどなく、すんなり受け入れられ、次のステージ(正義度60とか80)に進めやすい、というのもの現実としてあるだろう。

 

 

 

 


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