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小説フランス革命8 共和制の樹立 佐藤賢一

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前巻で不穏な決起が起きたわけだが、本巻でようやく共和制へと動いた。

実質はまだだが、ルイ16世が処刑されるところで終わる。

 

それまでただの演説家だったロペスピエールが、不穏な決起自体には参加しなかったのに、成功するや前面に出て独裁制をひいてしまう。

それだけならまだしも反対派をしょっ引いてはその場で処刑することを黙認あるいは推奨するように変わってしまっている。

権力の味をしめてしまったからなのだろうか。

 

この段階でまだ8巻で、ようやく3分の2なわけだが、残りどれだけのストーリーが待ってるのだろうか。

 

ギロチンの刃が斜めになっているのはルイ16世の時代にルイ16世が変えたようなのだが、自らの首がそのギロチンで切られるとは思いもよらなかっただろう。

 

しかし、フランス革命自体がこれほど長い時間がかかっていて、かつ何度も暴動が重なって実現されていることを初めて知った。

まるで何度も革命が起きたかのような荒々しい時代だったのだろう。

のんびり過ごしていた人にはたまったものじゃないだろう。

 

ラ・マルセイエーズはフランスの国歌だが、これはこの本で描かれた不穏な決起で国民が叫びながら進んだ時のかけ声を元にしているようだ。

歌の中身が野蛮なのはそういう背景があったからなのだろうか。

 

 


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