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近世農民生活史 児玉幸多

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この本は、江戸時代の農民の生活を説明しているものなのだが、
自虐にも程がある内容で大変嘆かわしい
はっきりいって、何の役にも立たなかった。

一例を示すと、
慶安のお触書という、幕府が示した農民の生活のあるべき姿を示した文書があります。

一、朝起をいたして、朝草を刈り、昼は田畑耕作にかかり、晩には縄を編み、何にてもそれぞれの仕事を油断なくすること。

一、男は作をかせぎ、女房は苧機をかせぎ、夕なべをし、夫婦ともにかせぐように。
されば、みめかたちのよい女房であっても、夫のことをおろかに存じて、大茶をのみ物詣り遊山好きの女房をば離別せよ、しかし子供が多くあるとか、前に恩を受けた女房ならば格別である。
また、みめかたちが悪くても夫の所帯を大切にする女房にはいかにも懇ろにしてやること。

一、身上の成る者は格別、田畑も多く持たず身上のなりかねる者は、子供が多かったならば人にもくれ、また奉公をもさせて、年中の口すぎのつもりを、よくよく考えるべきである。

ここまで
こうした文書に対して著者は次のように述べている。

「昼夜働くことを規定するとともに、妻をも離別し、子をも手放すことを薦めるかのような態度をしている。」

どんだけ読解力がないのか、と愕然とする。

普通に見れば、
夫婦一緒に働くように
顔形よりも器量のよい嫁を選ぶように
自分の家では生計が成り立たないのであれば、子供を外に働きに出しなさい
と言っているにすぎない。

三番目のことでとやかくいうのは、歴史を「現在の価値観」で捉えているからに過ぎない。
昔の出来事を現在の価値観で評価したら、すべての文明を否定せざるをえなくなる。

こんな人が東大を出て学習院大学の教授・名誉教授だという・・・


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