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疑獄 小説・帝人事件 波多野聖

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昭和初期、五一五事件のあと1934年に発生した帝人事件を舞台にしたもの。
正直、タイトルに「小説」と書かれていてどこまでが正しいかわからない。

帝人事件とは、昭和恐慌で倒産した鈴木商店のグループ会社だった帝人の株価が暴落した。
この事実を知ってか知らずか、帝人株をあらかじめ売っておき、暴落後に買い占める人たちがいた。

これを新聞にすっぱ抜かれ、当時の国民感情もあり、確たる証拠もないにもかかわらず、
大騒ぎになり、(ここがどういう経緯かはよくわからないが)ときの内閣、斉藤実内閣を総辞職に追い込んでいく。


この小説では、この事件をモチーフにし、
ある外国人の遺産である帝人株と、日本語で書かれた書物があり、主人公がその意味を探るよう託されるところから始める。
ある種のサスペンス的なとっかかりで帝人事件を描いていくのだが・・・・
あまり意味ないかな、と思わなくもなかった。
最後の結論もちょっと無理矢理だったし。

個人的には帝人事件の概要がつかめただけでもよかったですが、小説としてはあまり・・・です。




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