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鄭和の南海の大遠征 宮崎正勝

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鄭和の南海大遠征―永楽帝の世界秩序再編 (中公新書)/中央公論社
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以前、沖縄に行った時に琉球の歴史の本を買って、そこにこの鄭和のことが書かれていた。
鄭和は明王朝時代に大船団を率いてペルシャ湾まで遠征に行き、朝貢国を作っていった宦官です。
人によっては鄭和は喜望峰を一番最初に見つけ、アメリカ大陸も見つけた、
などという人もいますが、おそらくそれはデマでしょう。

明王朝は最初の頃は貿易も盛んで、国も栄えていきました。
日本も一時勘合貿易という名で日明貿易を行なっていました。
鄭和はこの時期の宦官でした。

しかし、明王朝は朱子学の影響で商業蔑視を始め、海禁策をとり、
他国との関係をとらないようになっていき、衰退し、滅んだ。

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ユーラシアの大半を支配したモンゴル帝国は、このように各地で衰亡し、
14世紀後半になると、帝国は解体・再編の過程に入った。
その際に、西トルキスタンを中心に建国されたティムール帝国と
中国の江南を中心に建国された明帝国が、
ユーロシア・ネットワーク再編の「目」となった。
ほぼ同時期に成立した東・西両帝国は、ユーラシア世界の歴史を
全く逆の方向に導くことをめざしていた。
ティムール帝国がモンゴル帝国の再興の旗を掲げ、草原帝国の復興を目指したのに対し、
明帝国は、中国から「胡風(モンゴル帝国によりもたらされた外部の文化・システム)」
を排して伝統的な「中華帝国」を再建し、
東アジア世界をユーラシアの大ネットワークから切り離そうとした。

結局両者のうちで、モンゴル・ネットワークの再建を目指した
ティムールの試みが失敗に終わり、明帝国の試みが成功をおさめることになった。
モンゴル勢力の南進を阻止するために明帝国の手で建造された「万里の長城」は、
東アジア世界の再編を示す巨大なモニュメントと見なすこともできる。



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