動画はここ
愛知県で放映されている番組のようです。
今回はアベノミクスで激突
というテーマで話し合われている。
竹中平蔵さん vs 三橋貴明さん+藤井聡さん
という構図で激論を繰り広げている。
正直、前半部分の国家戦略特区における養父市における農業改革については、
完全に竹中さんの意見に賛成です。
私が三橋さんの意見に全くついていけないのは、
彼はデフレにつながるか否か
それだけで全ての判断を行っているとしか思えないから
極論に走り、二元論ぽいんですよね。
まあ、「わざと」そういう主張をすることで、
行き過ぎた改革を少し戻す、という交渉テクニックの一つとして行っているのであれば
理解できなくもないんですが、
真剣にそう思っているのだとすれば、全くついていけない。
後半部分は人材の流動化についてです。
こちらについては、
パソナの会長でもある竹中さんの意見にも賛成出来ないが、
かといって、三橋貴明さん、藤井聡さんのおよそ感情論としか思えない意見にも賛成出来ない。
竹中さんの言う、
大企業の正社員は守られているが、
中小企業の正社員は逆に曖昧な法律によって虐げられている
だから、きちんとしたルール作りをしていく必要がある
というのは理解できます。
また、藤井聡さんが言わんとしていた
長期間の雇用の重要性
というのも理解できます。
だが、三橋貴明さんが言っていた
・アベノミクスで雇用は増加した
・増加したのは非正規雇用
・だからよくない
という単純な発想はどうだろうか
増加したのが正規雇用だろうが非正規雇用だろうが、
雇用が増加したのだからいいことであるのは間違いない。
もちろん、正社員が増加したほうがいいのは間違いないが、
だからといって「よくない」ということにはならないと思う。
まだ「改善の余地がある」というのであれば納得できるのだが
そもそも、お互いの陣営が、第3の成長戦略で国民に目に見えた効果が出てくるのはそれなりに時間がかかる、といっているわけだから
たかが安倍政権発足1年半ぐらいで正社員がボカスカ増えたらおかしいでしょう。
今後、正社員も増加していくためにも、
・政策に緩みが出てきては困る
・雇用が減少する方向になっては困る
という主張ならまっとうなのだと思う。
今現在、私たちはデフレ下にある。
この原因の一つは藤井聡さんが番組で口を酸っぱくしていっている
「内需が小さくなっている」
からである。
内需を増やすには、
・現在完全雇用状態ではないから雇用を増やす
・給料を上げる
この2つの方法を同時に達成する
あるいは1つを達成し、もうひとつは現状維持
が必要です。
給料を上げていくには、
・適度なインフレに持っていく
・企業の景気を良くする
必要があって、
1つ目は第一の矢でうまくいっている。
2つ目は第一の矢による円安でこれまたある程度うまくいっているが、まだ不十分
また、2つ目は即効性があるわけではないから、今後徐々に、ということかもしれない。
いずれにせよ、2つ目はまだ改善の余地があるわけです。
雇用を増やすには
・企業の景気を良くする
・新しい産業を勃興させる
必要がある。
1つ目は、既存の産業の底上げという意味で、結局先ほどの”給料を上げる”ための2つめの方法と同じです。
ですから、不十分ではあるが少し上向いているわけです。
だから、非正規雇用であっても増えているわけです。
2つ目は、今のところまだ行われていない。
現在の成長戦略は、残念ながら既存の産業を成長させていくことはあっても、
新しい産業を爆発的に拡大させるには至らないように思えます。
たとえば、宇宙産業、軍事産業、エネルギー産業など日本が弱い産業の強化には至らない。
せいぜい、「カジノ」作るぐらいですね。
もちろん、最近発表した農業改革によって農業が発展する可能性はあります。
でも、明らかにまだまだ足りないと思う。
この新産業の勃興こそが重要な施策だと思う。
そして、それを行うための強いリーダーシップ、税制優遇などは必要不可欠であり、
優秀な人材が新しい産業に流れていくような施策も必要なのだと思う。
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激論コロシアム 2014年5月10日
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