![]() 【楽天ブックスならいつでも送料無料】里山資本主義 [ 藻谷浩介 ] |
テレビなどで紹介されるなど、とても話題になっている本をようやく借りることができました。
数ヶ月は待たされたような気がする。
私が読んだ感想としては、
日本人が好きそうな考えだな
です。
もちろん、田舎に住んで地産地消いいでしょう
エネルギーを無駄使いしやがって
というのはわかる。
個人の生活として田舎で文明の利器に頼らずに生活しようとすることはもちろん、結構なことだと思います。
また、田舎の村など、こうした考えを元に村おこしなどを行うのも、もちろん結構なことだと思います。
だが、これは「国家戦略」としてはありえない。
これをやっていったら、国際貢献は出来ないし、科学技術の発展もありえないのは当然です。
これらの分野は多額のお金が必要なのだ。
この考えは、原始共産制に近いものです。
こうした考えに賛同するということは、小規模な集団のことを考えるということです。
主に「自分の家族」であって、最大でも「自分の村・町」といったところで
国際社会などは自分の考えの範疇にはないわけです。
それを認めた上で暮らすのであればそれはそれで素晴らしい生活だと思います。
でも、国際貢献・宇宙技術などにはこうした社会は貢献することは極めて難しい。
それは「お金」がかかるから
散々批判しているようですが、この本にもいろいろ賛同できるものはある。
というのは、今の社会だと、田舎の経済・社会をどう維持していくのか、というのはなかなか難しいからです。
私は、都市型の生活も、この本で言っている「里山経済」もどちらもある程度は必要だろうと思います。
里山経済を好む人は、その考えでもって田舎をぜひとも活気づけてほしいと思う。
自分は都市型生活を満喫しておきながら、里山資本主義を主張するのは滑稽です。
これを日本国政府が推進するべきだ、などと考えるのはお門違いです。
こうした生活は各個人の選択で行うべきであり、各市町村で考えるものだと思います。
現実はそんなに単純ではない
携帯もインターネットも、現在の高度な科学技術によって支えられているのであり、
里山資本主義からは生まれないのです。
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この本では、過疎地でのある小さなジャム屋さんが紹介されている。
ここでは、「過疎高齢化が進む島で小さなジャム屋が思うこと」というリーフレットを手渡している。
「今の時代に求められているのは、
地域の価値に気づき、その土地に根ざした活動を展開することではないでしょうか。
その土地でできた農作物を使い、田舎では田舎でしかできない事業を行うこと
が理想のスタイルであると思います。
それが地域を復興させ、お年寄りを元気づけ、若者を呼び戻す切り札になるはずです。
そのために私たちにできることは、
この土地でしかできないジャム作りをすることだと考えています。
土地と作り手の魂が感じられるジャムづくり。
島と人々とのつながりから生まれるジャムをその場で味わっていただき、
しっかりこの島の土地の味が宿っていることを知っていただく。
これこそが私たちの目指しているジャム作りなのです。」