![]() [単行本]【中古】【メール便可】検事総長の回想 秋霜烈日/伊藤栄樹 |
戦後まもなく検事になり、検事総長に就任した著者の回想録
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戦後、経団連名誉会長だった土光敏夫のお話
逮捕と同時に、土光さん宅の捜索に行った”特捜Gメン”の一人が帰庁してすぐにいったものである。
「いやあ、今日という日は、まいった。実に立派な人だ。
生活はまことに質素。
大会社の社長なのに、朝早く、国電のつり革にぶらさがって通勤している。
また、奥さんともども、来信の封筒を裏返して、発信用に使っている。
ちょっとできないことですよ」
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昭和49年8月30日、当時東京地検次席検事であった私は、
どの事件だったか忘れてしまったが、最高検へ事件の報告に行き、
終わって八階の最高検食堂で、大沢一郎検事総長からそばをご馳走になっていたら、
ドーンというにぶい爆発音がして、丸の内の”三菱村”のあたりに、
見る見る煙が立ち込めるのを現認した。
まもなく、救急車のかけ集まる音、音。
死者8人、重軽傷者376人を出した「東アジア反日武装戦線」による
三菱重工ビル爆破事件発生の瞬間であった。
海外進出企業等に対する爆破事件は、その後も、重軽傷者14人を出した三井物産館爆破事件、
重軽傷者10人を出した大成建設本社ビル爆破事件等々と続き、
それらは、一括して「連続企業爆破事件」と名付けられ、
警視庁初め関係警察は、犯人の謙虚に躍起となった。
ーー中略ーー
一斉検挙の結果、「東アジア反日武装戦線」の名のもとに結成した3つのグループ、
すなわち”狼グループ”の佐々木規夫、大道寺将司、大道寺あや子、
片岡(のち益永)利明、A子(服役済み)、
”大地の牙グループ”の斉藤和(逮捕後、服毒自殺)、浴田由紀子、
”さそりグループ”の黒川芳正を検挙することが出来た。
”さそりグループ”の桐島聡及び宇賀神寿一は取り逃したが、
これが一斉検挙を繰り上げたことによるものかどうかは、定かではない。
なお、宇賀神は、57年7月になって逮捕されている。
ここまで
こんなテロ事件があったとは知りませんでした。