Quantcast
Channel: 読書は心の栄養
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1745

サミット 先進国首脳会議 ロバート・D・パットナム ニコラス・ベイン

$
0
0
サミット―先進国首脳会議/阪急コミュニケーションズ
¥2,160
Amazon.co.jp


サミットについて知りたくてこの本を借りてきたのだが、
先進国首脳会議の仕組みとかそういうのではなく、これまでの歩みを記している。

============

サミットは制度化したと言われるが、それでもなおサミットには、他のどの国際機構ともいちじるしく異なる特性がある。
第一に、その討議の範囲を限定する基本文書(憲章、条約、あるいは規約)が全くない。
また本部もなければ事務局もない。

サミットには、歳月の経過とともに、定期的な日程、一連のしきたりとなった討議議題、
それにさまざまな手続き的慣例が定着してきた。
だがこうした制度的側面の拡大も、首脳たちの個人的な手段としてのサミットの役割を全面的に押しつぶすことはなかった。

===========

サミットを重ねる過程で、3つの教訓が明らかになった。
その第一は、参加諸国がある一定方向を目指して同時的行動を取れば、
各国の当初の意図とは食い違う予想以上に誇大な結果を生み出す
ということであった。
一定の国に一定の効果をもたらすよう勘案されたはずの方策が、
それと同一行動を取る他の諸国との相互作用のため、結果として予想以上に強烈なインパクトを及ぼすことになった。
1976年に全参加国がいっせいに引き締め策を導入した際、回復への弾みにブレーキがあかり、
プエルトリコ・サミットの確信に満ちた宣言とはまるで違う結果をもたらした。

第二の教訓は、たとえ最強国であっても、一国だけでは、
他の諸国が推進しつつある政策傾向に逆行する政策の維持は無理
だということであった。
ーー中略ーー

第三の教訓は、マクロ経済戦略の調整は、
もしサミット諸国のその他の政策(例えばエネルギー政策)がこの目的と合致しなければ、
それだけでは十分な成果をあげることが出来ない、

という原則が参加諸国に支持されたことである。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1745

Trending Articles