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中国返還後の香港 倉田徹

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最近、香港の行政権の一部が実質的に中国本土に握られたことが報じられている。
たとえば、ここ

この話題が出た時にちょうどこの本を読み終えたころだったので、結構役に立ちました。
でも、本自体はわかりにくいし、あまりいい本だとも思えません。

この本を読んでよかったと思ったのは、香港の立法・行政がどのような構造になっているかがわかった、という点です。

この図を見ればわかるように、立法府、日本で言えば議会は完全に民主化が行われています。
ただ、国政ではないので、日本を見ればわかるように地方議会自体がどれほどの機能を果たしているかは少々疑問ではあります。

問題は行政側
ここで行政長官とありますが、日本で言えば知事に該当すると思います。
今回のニュースは、この知事になる可能性のある人に、中国本土に反発を持っている人が排除された、ということです。
簡単に言えば、選挙自体は民主主義ではあっても、
立候補の自由はなく、中国本土から候補者が指名され、その中から選ばざるをえない、ということです。

たとえば、東京都知事選で、共産主義者以外は立候補できないとなったら、どう感じるか、ということです。
こうやって中国政府は徐々に香港を侵食している。


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2005年1月17日の趙紫陽元総書記の死去に関するニュースの報道ぶりである。
このニュースは香港各紙がトップ記事と詳細な解説付きで大々的に報じた。
しかし、大陸では趙紫陽死去については中央の規定に基づいて統一的に報じ、
各メディアが独自に報道を行ってはならず、これに違反したものは法的に処罰されると警告したという。
これを受けて、大陸の主要なメディアは、趙紫陽死去については一切報じなかった。
解放軍301医院元医師の蒋彦永は、「境外の衛星テレビ」によって趙紫陽死去のニュースを知ったと語っている。
一方、広東省各地では、香港のテレビが趙紫陽死去関連のニュースを報じるたびに、
コマーシャルに差し替えられた。
北京においても、各地の大型ホテルなどで視聴が可能である「CNN」などの外国のテレビ放送は、趙紫陽死去関連の内容が出るたびに、画面が黒一色になったという。

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中国はなぜ、返還後の香港において「一国二制度」を選択したのか。
鄧小平はその理由を、「香港と台湾で資本主義制度を継続することを保証しなければ、
その「繁栄と安定」を維持できないため」と説明している。
中国は、香港の主権を回復することと同時に、その経済的繁栄と政治的安定を確保するという強い意志を持っていた。
ーー中略ーー
中嶋嶺雄は、1967年当時、中国が香港で獲得する外貨は、中国の全外貨収入の約50%にものぼっていたとの推計を紹介している。
このため中国は、
「長期的に考え、充分に利用する(長期打算、充分利用)」との方針のもと、イギリスの植民地支配を黙認してきた。


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