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憲法9条改憲・護憲の判断のポイント

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前回 の続き
ここでは、どのように9条を変更するかはとりあえず置いておき、
変更する必要があるか否かを判断するポイントについて述べてみたい。

前回挙げた、憲法9条を理解する上で必要な項目⑥
「平和条項を憲法に組み込んでいる国にはアメリカ、中国、北朝鮮も入っている」
を以て
「平和条項があればこの世から戦争がなくなる、侵略もなくなる」
という論理はすでに成り立たない。

また、世界のほとんどの国が参加している国連の国連憲章(国連の憲法みたいなもの)では、武力が各国に存在し、武力紛争が存在することを前提として様々な記述がなされている。
(たとえば51条

このため、というか常識で一般の国が考えれば、どの国家もわが国の9条第二項を憲法に組み込もうとすることは少なくとも現状では「ありえない」
つまり、私たちは
・他の国が絶対に武力を放棄しない
・平和条項があっても紛争は起きる
という条件の中で
わが国、日本が(憲法上では)武力を放棄したままでいるべきか
という観点で考える必要がまずある。

そしてもう一つ、(法解釈上認められている)自衛権とは
「明確に」相手国がわかっていて、
その「軍隊」が
「物理的」に日本の領土や国民が傷つけられる

場合を想定している。
交戦権=戦力を交える なので、どこの戦力と交えるのかがわからなければならない。

以下のケースを考えよう

a. 国籍不明の人間が日本国民を拉致していった場合
b. 国籍不明の軍が日本を攻撃した場合(あるいは雇い主不明の傭兵部隊などでもいい)
c. 宇宙空間に存在する日本の人工衛星が攻撃された場合
d. 海外在住の日本国民が物理的な被害を受けた場合(アルジェリア事件など)
e. 国籍はわかっていても軍隊に属していない人間が領土・領海を侵害したり日本人になんらかの危害を加え、警察権力では対抗できない場合(テロリストでもいいし、一般人に化けている軍人でもいい)

この場合に現在の9条ではおそらく対応できない
(a. d. が対応できないのは既に歴史が証明している)

まずは、この2点
1.日本だけ他国が絶対採用しない9条第2項を今後も持つべきか
2.現状で対応できない侵害行為は今後も見過ごしていき、我慢していくべきなのか
を踏まえて9条に「何らかの変更」が必要かどうかを考える必要がある。
どういう変更が必要か、自民党案でいいのかは別にして

改憲派も護憲派もこのことは絶対に考えないといけない
正直、両者とも「感情論」や「思い込み」だけで主張しており、
合理的に考えていないので冷静に考えるべきだろう。

私は上記を踏まえて「改憲」が必要だと思うが、
「護憲」の方はきちんと「責任」を持って上記2点をどうするのか主張してほしい。
たとえば、「護憲」の方はきちんと
国際的な「拉致」については物理的な防御はしない
ということを発言するべきだと思う


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