国際政治・国際法などについて理論武装をする際に役立つと思われる古典
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帝国主義とは、現状の打破、すなわち二国ないしそれ以上の国家間の力関係の逆転を目的とする政策である、とわれわれは定義したのである。
力関係の本質を損なわず、その調整だけを追求する政策は、なお現状維持政策の一般的な枠組みの中で機能しているといえよう。
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はじめは現存の力の配分の中で調整を求めようとした政策は、
それが成功あるいは挫折するにつれてその性格を変える可能性があるという事実である。
言葉を換えて言えば、当初の目標が既存の力の配分の中で容易に達成されると、
膨張しようとしている国家は、おそらく自分たちが、弱体で優柔不断な相手と交渉しているのだと思い込むようになる。
そして現存の力関係の変更が、大して努力もせずにまた危険もなく達成されうるものだ、
とこれらの国家は思うようになるかおもしれない。
食欲というものは食事が出ると起こるものである。
こうして現状の枠内で膨張政策が成功すると、それは一夜のうちに帝国主義政策へと変貌を遂げるであろう。
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小国は、自己の権利を守るためには、強力な友好国の支援を求めざるを得ない。
そのようにしてのみ、小国は、自己の権利を侵害しようとする企てに首尾よく対抗できるという希望を抱くことができる。
このような援助が提供されるかどうかは国際法上の問題ではなくて、
ここの国家によって考えられる国益の問題であり、
したがってここの国家は、国際社会の弱国を支援すべきかどうかを決定しなければならない。
いいかえれば、国際法を執行する試みがされるかどうかは、あるいは、
その試みが成功するかどうかは、法的な配慮ならびに法を執行するメカニズムの公平な作用に主として依存する、と言うのではないのである。
法執行の試みとその成功は、ともに、特定の場合によける政治的考慮と実際の権力配分によって左右される。
したがって、強国によって脅かされている弱国の権利の擁護は、
その特定の状況において作用しているバランス・オブ・パワーによって決定される。
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国際政治 モーゲンソー
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