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財務省と政治 「最強官庁」の虚像と実像 清水真一

この本は、戦後の日本の財政史について書かれている。
どのタイプでもそうなんだが、特定の話題だけで戦後史を語ると、必ず無理矢理なこじつけなどが生まれてきて、ろくなことにならない。
この本もそうだった。
ただ、いろいろ知らないことも多くてためにはなりました。

アベノミクスという言葉は第一次安倍政権の頃から使われていたということを初めて知りました。

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菅は(2009年)9月25日、人目に付かない衆院第二議員会館地下の会議室に、
財務省主計局長の勝栄二郎らを呼び出した。
勝は「このような感じで進めてはいかがでしょうか」
と予算の年内編成を明記した一枚紙を差し出した。
そこには
「現行の概算要求基準は廃止する」
「政権公約を踏まえた要求の提出は10月15日まで」
「各大臣はゼロベースで厳しく既存予算の優先順位を見直し、できる限り要求段階から積極的な減額を行う」
と書き連ねてあった。
菅「こ、これだけ決めれば、しばらくはそれで予算編成の作業を進められるのか」
勝「10月初旬までにこの内容を閣議決定していただければ、年内編成は可能です」
淡々と請け合う勝に「この程度で大丈夫なのか」と一息ついた菅。
鳩山内閣は29日に1枚紙を「10年度予算編成の方針」として閣議決定した。
国家戦略室の最初のアウトプットがこれだ。
この一件は戦略室と財務省のその後の力関係を暗示するかのようだった。


財務省と政治 - 「最強官庁」の虚像と実像 (中公新書 2338)/中央公論新社
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