- 後書きをよんで知ったのだが、
このパックスブリタニカという本自体は著者の大英帝国に関する本三部作の第二番目に該当するとのこと
これに、大英帝国が作られる過程を描いた「ヘブンズコマンド」
大英帝国崩壊の過程を描いた「帝国の落日」
がある。
このパックスブリタニカ自体は、大英帝国が全盛期の頃のお話
大英帝国全盛期がちょうどビクトリア女王の在任中とかぶるというのがなかなか興味深い。
この本は上下巻ですが、とくにストーリーが続いていくわけでもなく、章ごとに異なる題材をテーマとしている。
個人的には上巻はとても面白く、下巻はそれほどでもなかった。
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ニュージーランドの家畜はすべて、英国人が持ち込んだ。
島にもともといたほ乳類は犬、コウモリ、ネズミのみで、マオリ族は元来、食人の習慣を除けば菜食だったという。
にもかかわらず、1897年の時点では島民一人につき羊2.5頭、牛1.5頭、馬0.5頭弱、豚0.3頭が存在した。
フィジーの家畜も大半は英国人がもたらした。
風吹きすさぶフォークランド諸島ではウェールズ出身の農民が、はるかな故郷カーナヴォンシアやメリオネスシアにあったのとそっくりな広い牧羊場をつくっていた。
オーストラリアに欧州原産のブラックバードが多いのはいうまでもないが、英国の羊や牛も無数に持ち込まれていた。
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帝国の頂点には君主がいて、女王・女帝が命令に署名し、優秀な廷臣が帝国各地に駐在していた。
ところが、その一段したには、まったく性格を異にする存在があった。
議会である。
英国議会は「パックス・ブリタニカ」の受託者という立場にあった。
ーー中略ーー
女王と首相に次ぐ執行の長は、インドと植民地をそれぞれ担当する国務大臣であり、
しなわち、公職の一つとしてこの任務を拝命する政治家だった。
議会は伝統的に、帝国の運営を担当の国務大臣に任せており、帝国の問題については概して政府のいいなりになっていた。
唯一の例外がアイルランドで、19世紀を通じて議員はアイルランドの問題に熱を注いできたが、インドが議論の的になることはめったになかった。
パックス・ブリタニカーー大英帝国最盛期の群像 (上)/講談社
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- パックス・ブリタニカーー大英帝国最盛期の群像 (下)/講談社
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