この本はタイトルだけを見ると宗教とか、哲学とかそんな印象を受けるが、
科学の本
サイモンシンの宇宙創成よりは平易な文で短いのでいいと思います。
著者とインタビュアーとの対談の形をとっています。
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桜井
地球は太陽の周りを30キロメートル秒くらいのスピードで突っ走っています。
さらに、そんな速さで突っ走っている地球を引き連れて太陽系全体がある方向に向かっている。
今の星座で言えば、琴座の方向へ向かって20キロメートル秒くらいのスピードで突っ走っています。
それで三億年くらいかけてスタート地点に戻ってくるんですよ。
ーー三億年!
桜井
太陽系というのは天の川銀河の端っこにあるから一周するまでに時間がかかるんですね。
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今でも地球の中心にはどろどろに溶けた鉄を中心にした内核物質というものがあります。
そこでは鉄などがイオン化しているので、それが運動をすることで電流が生まれ、その電流が磁力を生み出していると考えられています。
これを”ダイナモ理論”と呼んでいるのですが、発電作用で磁力がつくられているのではないかと。
しかも自分で磁力をつくって、その磁力を使ってあらためて電流を作り直して、
その電流がまた磁力を増幅させるという形で磁力が維持されていると想定されています。
これを”自励ダイナモ”と呼んでいます。
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桜井
太陽から地球までの距離を1とすると、太陽から金星までの距離は0.8です。
たった0.2違うだけですが、金星の大気の温度はセ氏で300~400度もあって、炭酸ガスの塊です。
水は蒸気の状態です。
また金星は磁気を持っていませんから、太陽から吹いてくる超音速の風がそのままぶつかって温められています。
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桜井
お月様は他の惑星にもあるのはご存じでしょう。
たとえば木星にも16個以上の衛星がありますし、土星にも数多くあります。
天王星にも海王星にもあります。
火星にもある。
太陽系の惑星のうち、月がないのは金星と水星だけです。
ただ、親の星と対比してあんなに大きい衛星を持っているのは地球だけです。
あの大きさの月があるお陰で、地球の運動の回転の傾きはほとんど変わらずに維持されているんです。
お月様が強い引力で引っ張っていますからね。
ーー海の干満も月の影響ですね。
桜井
月と太陽のお陰です。
太陽と月が両方で引っ張り合う。
だから月と太陽が同じ方向か反対方向に位置するときは大潮になる。
両方の引く力が足し算になるからです。
位置関係が直角になったときは小潮です。
ーー月がなければ地球はずいぶんと変わってしまいますか?
桜井
月がなければ潮汐作用は起こりませんよね。
いつも太陽に向いた方向だけが満潮になる。
だから24時間で満潮の場所が一周するだけでしょう。
お月様があるといろんな具合に潮汐の動きがありますから変わってきますね。
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ジョージダーウィンはおやじほど有名じゃないけど、(おやじ=進化論のチャールズダーウィン)
フィッション説を唱えて、月は地球から飛び出したと言いました。
フィッションというのは”飛び出す”という意味ですね。
ーー月が飛び出した場所が海になったのですか?
桜井
月の目方は太平洋の全体くらいの大きさですからね。
もしかすると、そっくりそこから飛び出したのかもしれないというのも、ジョージ・ダーウィンのアイデアでした。
現在では否定されていますが。
ここまで
アトランティスもこのあたりからインスパイアされているのかな?
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氷河時代と今の温度の差は三度から五度くらいのもので、それほど大きくはない。
日本の夏冬の温度差より小さいくらいです。
でも、それくらいしか冷えなくても、両極地方が冷えると氷河が見られるようになる。
それでも赤道付近は凍らずに残っています。
ところが全球凍結というのは、赤道も含めて地球全体が凍ってしまう。
そういう時代が地球の歴史上には何度かあります。
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太陽の中心核では四個の水素の原子核、つまり陽子が融合して一つのヘリウムの原子核をつくっています。
そのときにもとの水素の質量の0.7%がエネルギー転換して光として放出されると言いましたが、
その放出されるエネルギーとは太陽にとって必要のなくなったエネルギー、すなわちエントロピーです。
この太陽が捨てたエネルギーを地球は自らの環境を作るエネルギーにして利用しているわけです。
ーー地球は太陽によって生かされているわけですね。
桜井
そうです。
でも、もちろん地球もエントロピーを捨てているんですよ。
地球は太陽からやってくる光によって10の22乗ワット、
すなわち10の後にゼロが22個くっつくくらいのすごいエネルギーをもらっていますが、
その大半を外に捨てています。
諸生命の維持や地球環境を温めるために使って、いらなくなったものを捨てているわけですね。
捨てられたエネルギーはほとんどが目に見えない赤外線になって地球外に出て行きますが、
赤外線になると、可視光線として地球にやってきたときよりも、
光の粒子である光子の数が何万倍かに増えています。
これはエントリピーがそれだけ増えたということです。
その増えたエントロピーを捨てて、太陽からの光エネルギーによる加熱(オーバーヒートのこと)から地球というシステムを守っているんです。
そうやってエネルギー収支を合わせて地球環境はできている。
そのようにして地球はずっと進化してきたのです。
- 命は宇宙意志から生まれた/致知出版社
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