世界、というか主に英米仏の議会制民主主義における選挙制度を含めた比較をしている。
各国様々な方法を採っているんだな、というのと同時に、どの制度でも問題点がある。
しかも自国より明らかに優れているかのように思える制度であっても、自国の民主主義に至る過程であったり、文化的背景から制度を採用できないケースもある。
この本で、いわゆる死票がどの程度おきるのか、つまり民意がどれだけ反映されにくい制度なのかを指し示す指数が紹介されていた。
非比例性指数=1/2√Σ(v1-s1)2乗
v1=政党i の得票率
s1=政党iの議席占有率
興味が出たので、前回の衆議院選挙で調べてみた(Wiki)
すると、小選挙区制ではこの指数が0.16、比例選挙区では0.03
1990年の衆議院選挙(中選挙区制)における指標も調べてみた(Wiki)
中選挙区制では0.05
ということでたしかに小選挙区制では死に票がよく出ることがわかる。
中選挙区制の方が民意は反映されやすいだろう。
比例は党に対する民意は反映されるが政治家個人に対する民意はゼロだ
オーストラリアの選挙制度で面白い制度がある。
有権者は自らの選挙区に立候補している候補者に好ましさの順位付けを与える。
当選者の決定のために1位の票が集計され、この段階で1位が50%以上の得票であれば当選
そうでなければ、最下位の人に投票(1位)した票を捨て、その票の2位になっている人を各投票者に分けていく。
その段階で50%以上なら投票、でなければ今回の最下位の人に投票(1位)した票を捨て・・・・
と行っていく。
これはなかなかいいのではないだろうか。
大選挙区制などにして、順位付けした票を投票できるようにする。(たとえば5位までとか)
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