この本は非常におすすめできます。
タイトルからわかるように、この本は司馬遼太郎の「坂の上の雲」からきている。
バブルまでの日本というのは、レールに乗った人生が存在していた。
いい大学に入り、いい会社に入り、特段のミスがなければ課長・部長へと昇進していく。
失業することもまれだった。
坂の上に明確な頂上が見える、そういう意味で坂の上に雲が見えたわけだ。
しかし現代は、産業が成熟し、レールがきちんとしているわけではない。
会社が未来永劫続くというのは夢物語であり、どんな大企業も倒産する可能性がある。
人口が停滞・減少し、会社の規模も大きくなり続けることはない。
つまり、管理職のポストも限られている。
自分が努力して進んでいく先に、約束された未来があるとは限らない。
つまり坂をいくら登っても坂が見えてくる、そういう意味で坂の上の坂です。
こうした社会を生き抜くためにどのようなことを念頭に入れて生きていくべきか、という著者なりの考えを示している。
著者は元リクルートの営業で、最初に客員社員フェローとなった人として有名であり、最近では民間校長になったりしている。
自分を見つめ直し、自分が
1.仕事上の権力を求める方向が強いのか、プロ志向、つまり個人の能力を伸ばしたいのか
2.金を求めるのか、金以外(使命・名誉・仲間・家族など)を求めるのか
どっちのベクトルにどれくらい向いているのかを考えることが大事だという。
そして、会社に振り回されないよう、自らの価値観・優先順位をしっかりと持った上で先ほどのベクトルに進むに必要な能力を磨いていくことが必要である。
図書館で借りたのだが、いいことが色々書いてあるので、購入した。
([ふ]1-1)坂の上の坂: 30代から始めておきたい55のこと (ポプラ文庫 日本文学) 648円 Amazon |