オスマン帝国がどのように滅亡していくのか、とうことがテーマなのだが、
私が知りたいことはあまり載っていなかった。
オスマン帝国は第一次世界大戦を以て滅亡するわけだが、
東ローマ帝国を滅ぼすなど中世を通じて強大な力を持ち合わせていた。
それが18世紀ごろから具合が悪くなってきて、19世紀からはどんどん欧州+ロシアからいいようにやられていき、領土を割譲されてく。
この本ではその原因をネイションステート、つまり国民国家になりきれなかったこととしている。
これは、国民国家たる法治国家に、イスラム教が適応するのが難しいことを示している。
イスラム教自体はその宗教の教えの中に法を含んでいる。
戒律自体が法として存在しうるものを持っている洗練された宗教といえる。
しかし、国というのは必然的に単一宗教のためだけの法律というのは意味をなさない。
貿易などをする以上、他宗教との関わりはほぼ必然的である。
この課題をどう解決していくのか、がイスラム教国家の乗り越えなければならない壁の一つだと思う。
![]() | オスマン帝国の解体―文化世界と国民国家 (ちくま新書) 713円 Amazon |