この本の主人公である佐々木正はシャープのエンジニア
この本を読んでいると、シャープがどうこの業界で大きくなってきたのかがわかる。
そして、そのシャープがどうして凋落したのかもおぼろげにわかってくるだろう。
かつての日本のメーカーは人件費も高くなく、世界に品が少ない中、様々な新しいことにチャレンジすることが社風として許されていた。
その中でシャープは電卓に、ソニーはウォークマンでその名を轟かせていったわけです。
日本は高度成長期を迎え、バブル崩壊の頃には非常に豊かになり、人件費も高くなり、モノが溢れる世の中になっていた。
会社としては勝手にいろんなことにチャレンジすることを許す環境ではなくなっていた。
つまり、どこに注力するかを決めなければならない。
シャープのように失敗したところは、一度決めて上手くいった部門に固執し、うまみがなくなっても他の部門に行くことが出来ていない。
どこにいつからいつまでチャレンジするのか、という決断をどのように行うのか、ここに分かれ道があるような気がする。
カリスマが生きている間はいいのだろう、だがそのカリスマが亡くなったり、引退した後のことを考えていかないと、会社の永続的な発展は厳しいのだろう。
![]() | ロケット・ササキ:ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正 1,620円 Amazon |