心花、静裏に開く 新井正明
著者は戦争で片足をなくした後、住友生命で社長を務めた方 この本は著者といろいろな人との対談で、人としてどう生きるかについて考えさせられる。ただ、問題点はいろんな人と対談する都合上、同じ話が何回も繰り返される点 とはいえ、著者や対談相手がいいと薦める本がいくつかあったので今後の読書に役立ちそう 心花、静裏に開く―人物となるために (活学叢書)1,258円Amazon
View Articleノモンハン事件の真相と戦果 小田洋太郎 田端元
ノモンハン事件と言えば、1939年に満州とモンゴルの境界近辺で起きた軍事衝突で、一般には日本がソ連に大敗したということになっている。 ただ、ソ連崩壊後に明らかになった情報によれば、ソ連側の損害が甚大であったことがわかっており、大敗というのは明らかな誤りである。日本側も大きな損害を被ったが、ソ連側もそれ以上の損害を受けている。いずれも二度とやりたくないと主観的に思ったのだろう。...
View Article道徳感情はなぜ人を誤らせるのか 菅賀江留郎
ラジオ番組ザ・ボイスで宮崎哲弥さんが紹介していた本 戦前の浜松事件・二俣事件などを通じて、人がどのようにして判断を見誤るのか人が身近なケースを極大化し、統計を無視・拒絶するがゆえにどのようなことが起きるのかについて述べている。 ============...
View Article大海軍を想う 伊藤正徳
大日本帝国海軍の歴史を追う本 とてもためになった。山本権兵衛は海軍にとってとても良い人だったことがわかる。首相時に軍部大臣現役武官制を一旦廃止したのも素晴らしい業績だったが、海軍の地位を上げたのはまぎれもなく山本権兵衛の力によるものだ...
View Article心にナイフをしのばせて 奥野修司
光市母子殺害事件の本で紹介されていて借りてきた。 酒鬼薔薇事件のおよそ30年前、似たような事件が起きていた。(ここ)高校生が同級生をナイフで惨殺した。この本は当時の事件を被害者側から記した本で、何十年経っても被害者の傷が癒えないことがわかる。...
View Articleミリンダ王の問い1
ギリシャ人のミリンダ王と仏教の僧ナーガセーナの問答ミリンダ王は、このナーガセーナに会うまで、他の僧を問答で言い負かせていて、仏教なんぞ・・・と思っていたが、この賢人ナーガセーナと会うことで感化され、出家したとされている。という内容 「***とは何でしょう?」「それは****である」「たとえを下さい」「****」「もっとたとえを下さい」「****」「なるほど、わかりました」...
View Articleアフリカを知るための基礎知識 ジョン・ムウェテ・ムルアカ
有本香さんのラジオで紹介されていてムルアカ氏鈴木宗男元議員の秘書もやっていたらしい この本は、アフリカの植民地時代からの歴史、戦後の経済・政治、各国の基礎情報で構成されている。奴隷貿易時代の統計をきちんと取る試みは戦後になってからのようで、それまでは適当に算出していたらしい。この本で紹介されていた「大西洋奴隷貿易・一つの推計」という本を今度読んでみたい。...
View Articleフランス史6 ミシュレ
5巻がフランス革命前夜までだったのですが、6巻はフランス革命が終わった後から どういうことかと思って読んでみると、元々フランス史自体は5巻までで、ミシュレはフランス革命については、フランス革命史というシリーズを書いている。この6巻は元々19世紀史という別の書だったのだそうだ。 ナポレオンでよく見る肖像画...
View Article人民の沈黙 松井やより
著者の旦那が北京の大使館に赴任するというときに朝日新聞社を休社して同行したときの体験記 本の中に女性解放だのウーマンリブだのがたびたび出てくるので変だな、と思って調べると有名な反日記者でしたね。すべての判断基準を女性の地位に基づいており、被害者とされる人の話をすべて鵜呑みにする ただ、文革直後の中国の様子を見れたのはよかった。 人民の沈黙―わたしの中国記1,944円Amazon
View Article最後の秘境 東京藝大
ノンフィクションレビューサイトHONZでの書評が(おそらく)評判となり、今すごい人気のこの本すごい面白いのでお勧め 国立の東京芸術大学についての本自分の身の回りには東京芸大の方がいないので、こんな世界があるのか、とビックリした。 藝大の学園祭に是非行ってみたいと思う。...
View Article14歳からの哲学 池田晶子
この本は良かった。何がいいかというと、哲学といっても、考えの押しつけではなく、考えるヒントを与えてくれているから 副題にある14歳からの・・・というのもわかる。もし自分が思春期の頃にこの本に出会っていたらどうなっていたのだろうか、とも考えさせられる。こういう本を読んでから、哲学の本をじっくり読むといいのかもしれない。 自分の価値判断の基準を定めるためのスタートとして読む本といったところでしょうか...
View Article淳 土師守
著者は酒鬼薔薇事件の被害者の父親この本は光市母子殺害事件の本で紹介されていたので読んでみた。 私も当然、当時の事件のことは知っている。ただ、事件にある関係者のことを全く知らなかったので、少年Aとタイトルにもなっている被害者の「淳」君が顔見知りだったことを知らなかった。 本を読む限りにおいては、加害者家族には謝罪の気持ちはないようだ。その意味においては「心にナイフをしのばせて」の事件と同じだ。...
View Article中国が喰いモノにするアフリカを日本が救う ムウェテ・ムルワカ
前著「アフリカを知るための基礎知識」が面白かったので、最新作を読んでみた。 前作が1998年で、今作が2015年ということで、17年経ったわけだが、この本を読む限りにおいては日本のアフリカに対する関わりに前進は見られていない。その間に中国がアフリカに進出しているわけだが、どれほど進出しており、どれほど現地から嫌われているか、どうやって中国は民を送り込んでいるか、が書かれている。...
View Article大日本帝国の興亡5 ジョン・トーランド
この本は、日本が第二次世界大戦に突入し、敗戦に至るまでの本 最終巻は沖縄戦、広島長崎の原爆、そして敗戦への経緯が描かれている降伏を決めるまでの経緯はほかにも本を読んでいるので目新しいことはなかったが、このレベルの詳細が描かれたこの本が1971年に出たというのが驚きだ。願わくば日本人が著してほしい内容だ。それぐらいよく調査して書かれている。...
View Article環大西洋奴隷貿易歴史地図 デイヴィッド エルティス , デイヴィッド リチャードソン
この本は、中世に欧米がアフリカの黒人奴隷を統計的にどのように連れて行ったかが描かれている本図表になっていて絵でぱっと見でわかるので非常によい。...
View Article原敬 上 伊藤之雄
原敬といえば、学校で習った「平民宰相」「米騒動」ぐらいしかわからなかった。この上巻を読むだけで原へのイメージがかなり変わるとともに、明治時代の後半のイメージも変わってくる。...
View Article内務省の社会史 副田義也
この本は内務省という観点から戦前の日本の歴史を見ている本私は内務省の役割について知りたかったこともあって借りてきたのだが、少し私の期待とは異なった。が、とてもいい本だと思う。ただ、600pを超え、大判で字がぎっしりなので気をつけてください。 この本を通じて私が知ったのは、 ・内務省と大蔵省(現財務省)は初期は合併したり分離していたりしていたこと...
View Article預言者ムハンマド伝 1 イブン・イスハーク
イスラム教の預言者ムハンマドの伝記が書かれている古典 ムハンマドが生まれるまでの話では、ちょっと伝説的なものが多いような気がしたが、生まれた後、使命を受け、布教し迫害されるところなどはふむふむという感じである。 ただ、全4巻読めるかというと、なかなか厳しそう(一冊一冊が長い) =========== 神はイエスに言及して言う...
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